新築一戸建ての「新築」の定義とは?いつまで新築といえるのか解説!
「憧れている」「いつかは購入したいと思っている」という人も多い新築一戸建てですが、正確にどのような物件を「新築」と呼ぶのか知らないという方も多いようです。ここでは新築一戸建てを購入する際に役立つ、新築の定義や新築物件と未入居物件の違い、未入居物件や築浅の物件を購入する際の注意するべきポイントについてご紹介します。
新築の定義とは
新築とは「完成してから1年未満で、誰も住んだことのない家」のことです。建物の建設工事が完了すると、事前に提出した図面通りに建設されているか、建築基準法に違反していないかをチェックする完了検査をうけます。
「完成してから1年未満」の「完成」とは、この完了検査の検査済証に記載された日付になります。また「その物件に、誰も住んだことがない」ということも新築の条件になります。一度でも人が住んだことがあれば、中古物件となります。購入した新築一戸建てを急に転勤が決まってしまったなど事情によって入居する前に家を売却することになったような場合、完成して1年以内であれば「新築」として転売することもできます。
ただ、新築物件をローンで購入している場合、金融機関に抵当権が設定されています。抵当権とは、ローンの返済が滞った時などに金融機関が物件を差し押さえて競売にかけ、貸したお金を回収できる権利のことです。抵当権はローンの返済を完了すれば抹消されますが、抵当権がついたまま、つまり住宅ローンを返しおえていない状態で物件は売却できません。築浅・新築物件を売却するには住宅ローンを完済する必要があるということは覚えておいてください。
新築物件と未入居物件の違い
完成後1年以上売れ残っている物件は「新築」ではなくなります。完成後1年経っても買い手がつかなかった物件は、1年以降「未入居物件」として販売されます。未入居物件は「不動産の表示に関する公正競争規約」および「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で定義されており、不動産広告はすべてこの定義に準じた記載がされています。未入居物件は1年以上買い手がついていないことから比較的価格交渉がしやすい傾向にあり、コストパフォーマンスを重視するタイプにはおすすめです。
ただ、1年以上売れていない理由はきちんと確認しましょう。周辺環境や治安など売れていない理由が看過できない内容であることもあります。そのエリアに土地勘がなく、売れ残った理由が把握できないような場合、購入は相当慎重に判断することをおすすめします。購入予定だった人が急にキャンセルになった、不動産会社が最初の値付けを間違えたというケースによる売れ残りであれば、物件自体に問題はないので掘り出しものといえるでしょう。未入居物件はすぐに入居できるので、早く入居したいという希望のある方にもおすすめです。
新築や未入居、築浅物件を購入するときの注意点
未入居物件や築浅物件は、ほぼ新築と変わりないにもかかわらず、新築よりも安いことが多くまた値交渉もしやすいことからお得に感じる人も多いですが、注意点もあります。たとえば、新築一戸建てには要件を満たせば3年間固定資産税が半額になる特例措置があり、築1年以上の未入居物件を購入してもこの軽減措置の対象となりますが、築3年以上の築浅物件の場合は適応外となります。
また新築であれば住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって、売主には10年間の瑕疵担保責任があります。雨漏りなど住宅に問題があった場合はこの瑕疵担保責任によって売主に修理の依頼をできます。ただ、10年間の瑕疵担保責任は販売主と買主の契約に限られており第三者に承継されないということも覚えておきましょう。前所有者が保険契約時に転売特約を付帯させることで、瑕疵担保責任を継承することも可能ですが、これは義務ではなく任意になるので、築浅物件を購入する際は瑕疵担保責任の特約がついているか確認しておくと安心です。
また、建物はしっかりと管理を行っていないと傷んでいきます。築浅物件であっても、完成から1年以上経っている家は定期的な換気や清掃がされていなければカビや苔が生えてしまうこともあります。築浅物件は購入前の見学時にしっかりと物件の管理がされているか、家に傷みが生じていないかを確認してください。「素人目にはよくわからなくて不安」という場合は、ホームインスペクションで専門家に診断してもらうのもおすすめです。売主の負担でホームインスペクションの実施してもらえることもあるので、相談してみてもいいでしょう。
家に求めるものの優先順位は人それぞれです。誰かが住んだことのある家でも安ければよい思う人もいれば、絶対に未入居物件がいいという人もいます。新築物件や未入居物件の意味を正しく把握しておくことで、理想の物件を探しやすくなります。瑕疵担保責任保険の適応や固定資産税の特例措置の適応など使える制度が異なるという注意点もあります。こちらで紹介した内容を、自分にぴったりの住まい探しに役立ててください。